
スジャータとは
お釈迦様を救った女性の名前です。
飲まず食わずの修行をして倒れたお釈迦様をスジャータが乳粥で介抱し元気を取り戻したお釈迦様は菩提樹の下で悟りを開かれました。
万松寺ではこのスジャータの功績を称え「スジャータまつり」としてお釈迦様が悟りを開かれた日を祝う行事を開催しています。

12/2(土)
12/3(日)
お釈迦様について知る
「人はどのように生きたら良いのか?」「人はなぜ苦しむのだろうか?」という疑問を解決するために出家し、お悟りを開いたお釈迦様。
全ての人を救うため、人が幸せになれる方法を広めることにその生涯を費やされました。ここではお釈迦様の教えを知るキーワードをいくつかご紹介します。
中道(ちゅうどう)
お釈迦様は、王子のように裕福で贅沢な生活(快楽)と、過酷な苦行のような両極端を「二辺」として否定し、苦にも楽にも偏らないバランスの取れた生き方を中道としました。
血を流すほど真面目に修行を続けても悟りを得られないと悩む弟子が、出家する前は琴が得意だったと聞くと、お釈迦様は「琴の弦は強く張れば良い音が出るのか?」と尋ね「琴の弦は強すぎてもゆるすぎてもよい音が出ない。修行も同じように怠けていてはダメだが、苦し過ぎても修行にはならない。」と説きました。その弟子はそれによって心が楽になり、間もなく悟りを開きました。
これは中道を示す一つの話ですが、現代の悩める日本人にも参考になる考え方ではないでしょうか。
四諦(したい)
悟りに至るまでの四つの段階。
- 苦諦(くたい)
- 一切は苦であるという真理
- 集諦(じったい)
- 苦には原因があるという真理
- 滅諦(めったい)
- 苦は滅するという真理
- 道諦(どうたい)
- 苦を滅する道があるという真理
お釈迦様は迷いの現実こそが「苦」であり、その「苦」は克服できるものと明らかにされました。
四苦八苦
非常に苦労する様子を「四苦八苦」と言いますが、元々はお釈迦様が人間は苦なる存在であると、苦を分類したものです。
- 生・老・病・死=四苦
- 誰もが避けることができない根本的な苦しみ
- 愛別離苦(あいべつりく)
- 愛する人と分かれる苦しみ
- 怨憎会苦(おんぞうえく)
- 会いたくない人と会わなくてはいけない苦しみ
- 求不得苦(ぐふとくく)
- 求めても満足できない苦しみ
- 五蘊盛苦(ごうんじょうく)
- 心身が思い通りにならない悲しみ
四苦に社会生活の苦しみ4つを加えたものが四苦八苦となります。
八正道(はっしょうどう)
人生の苦を乗り越えるための方法。
- 正見
- 物事を正しく見ること。
- 正思
- 物事を正しく考えること。
- 正語
- 正しいものの言い方をすること。
- 正行
- 正しい行ないをすること。
- 正命
- 正しい生き方をすること。
- 正精進
- 正しく努力すること。
- 正念
- 正しい教えを忘れないこと。
- 正定
- 正しく心を整えること。
八正道は悟りを開く方法であるとともに、人間形成の方法でもあります。
お釈迦様に関する「え?そうなの?」と思えるような豆知識をいくつかご紹介します。
お釈迦様は実在の人物なの?
お釈迦様の生涯に関しては不明なことも多く、実在した人物かどうか疑われた時期もあります。
しかし、1898年に北インドとネパールの国境付近の地で、イギリス人がお釈迦様の遺骨を発見したことにより、お釈迦様は実在したということが裏付けられました。
誕生年に関しては諸説ありますが、日本では紀元前463年であるという説が有力です。
お釈迦様の遺骨は日本にあるの?〜万松寺とのエピソード
お釈迦様は80歳でお亡くなり(入滅)になった後火葬され、遺骨(仏舎利)は埋葬されました。
そして1898年に発見されたお釈迦様の遺骨はタイ国に寄贈されました。
その後1900年に遺骨の一部は日本にも贈られます。
この時の条件は特定の宗派ではなく全仏教宗派に対しての贈与とすること。
国内に無事運ばれたものの、安置場所がなかなか決まらず、2年間は京都の妙法院に仮安置されていました。
名古屋に宗派を超えた寺院、日泰寺の建立が決まった時、その建立までの2年間の仮安置場所を、ここ大須の万松寺としたのです。
1904年からは覚王山の日泰寺に安置されています。
「北枕」とお釈迦様との関係
一般に縁起が悪いと言われる「北枕」は、お釈迦様が亡くなられた際、頭を北へ、顔を西へと向け、右脇腹を下にされていたことに由来しています。
日本では人が亡くなられた際には「北枕」にすることから「北枕は縁起が悪い」と言われるのでしょう。
しかし、お釈迦様の臨終前の姿勢(「頭北面西右脇臥」ずほくめんさいうきょうが)は人が一番楽な姿勢とも言われ、お釈迦様の苦痛を少しでも楽にしようとしての「北枕」という説もあります。
お釈迦様?ブッダ?どう呼べばいいの?
まず、お釈迦様には「ゴータマ・シッダールタ」という両親がつけたお名前があります。
コミックのタイトルにもある「ブッダ」というのはサンスクリット語で「目覚めた人」「悟りを開いた人」という意味です。
そしてお釈迦様の「釈迦」は、出身地の部族の「シャカ族」からきています。
他にも様々な呼び方がありますが、日本では親しみを込めて「お釈迦様」と呼ばれることが多いようです。
